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バックアップ方法
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データ消去の仕方と
バックアップ方法

データ消去が重要な理由

端末の中に無駄なデータが残っている場合、データの書き込みや読み込みに余計な時間がかかってしまったり、ソフトが起動するまでに時間を要するといったデメリットがあるため、無駄なデータは可能な限り消去することで端末のデータ処理を軽くできます

さらに、情報機器を廃棄する際やリースの返却、リユースなどの際には、データを完全に消去する事が必須といえます。その理由は、データ消去を怠ってしまった場合にはそこから情報漏洩につながってしまう可能性があるためです。

情報漏洩が発生する原因の一位として挙げられているのが「紛失・誤廃棄」であり、1件あたりの平均想定損害賠償額は約6億円にも上ります(※)。このように万が一情報が漏れてしまった場合には多大な損害賠償を負うリスクも考えられることからも、情報機器を扱う上ではデータ消去が非常に重要であるといえます。

参照元:JNSA|2018年 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書【速報版】 https://www.jnsa.org/result/incident/2018.html

データ消去の注意点

データ消去を行う場合には、見た目では削除されているように見えても実はハードディスクや記憶メディアにはデータが残っている可能性がある点に注意する必要があります。そのため、大切なのは専用のソフトを使用して完全に消去ができている状態にすること。この作業により端末のデータ処理を軽くし、情報漏洩リスクの軽減につなげられるといえます。

復元が簡単な消去と、復元が難しい消去の違い

データ消去には「復元が簡単に行える消去」「復元が難しい消去」の2種類があります。データを消去する場合には復元が難しい方法で作業を行うことによって情報漏洩のリスクも下げられるでしょう。それぞれの方法について表にまとめていますので、参考にしてみてください。

復元が容易 ・フォルダやファイルの削除、ごみ箱を「空」にする
・フォーマット(初期化)
・OSの再インストール
復元が困難 ・ローレベルフォーマット
・データの完全消去
・上書きされたデータ
・ストレージデバイスを物理破壊

ローレベルフォーマット

ディスク内容を消去してセクターを再分割してディスクを出荷時の状態に戻すことを「ローレベルフォーマット」と呼びます。ローレベルのフォーマットを行った場合、ハードディスクで保護されていたデータも全て失われ、復元することはできません。

データの完全消去

単純にデータを削除するだけではなく、データが存在していた領域に対してデータを残さないよう、0や乱数を書き込む方法です。この方法を行うことによってデータをほぼ復元不可能な状態にできます。

上書きされたデータ

例えばファイルなど、以前の内容から変更して上書きを行った場合にも修復ができず、以前の内容を取り戻せないデータであるといえます。

ストレージデバイスを物理破壊

データを復元不可能にするという意味では、ストレージデバイスを物理的に破壊する方法もあります。例えばストレージデバイスをハンマーなどで叩くことによってデバイスが読み込み不可となった場合には、中に保存されていたデータは復元できなくなります。

データ消去はデータ消去ソフトウェアを使用

データ消去ソフトは、簡単にいうと「上書き」をすることによってデータを消去します。この消去方法にはさまざまな規格がありますが、上書きを行う回数が増えるほどにデータの復元が難しくなることから、情報漏洩のリスクを下げる事ができるでしょう。ただし、上書き回数が増えるほど処理完了までに時間を要するため、どのようなレベルでデータ消去を行う必要があるのかといった点を考えることも大切です。

バックアップの重要性

データを完全に消去した後にやはりそのデータを使いたいとなった場合、復元する方法はあらかじめバックアップをとっておくしかありません。災害など予期せぬ状況にも備えて整合性を取るといったように対策を行っておくことは非常に重要であるといえるでしょう。

バックアップの種類

データのバックアップを行う場合には、いくつか方法があります。こちらでは「物理的なバックアップ」「クラウドを利用したバックアップ」という2種類の方法について紹介します。

物理的なバックアップ

物理的にバックアップを取る方法としては外付けハードディスクやその他補助的なドライブを利用する方法がありますが、非常に簡単で、大容量のストレージが必要な場合にも対応しやすい方法であるといえるでしょう。この場合には、バックアップを取りたいフォルダーやファイルを選択し、別のドライブにコピーするだけで作業が完了します。

クラウドバックアップ

クラウドストレージにバックアップしたいデータを保存しておく方法です。この方法では、外付けハードディスクなど追加ドライブを購入する必要はないものの、クラウドインフラの運用には費用がかかります。 ただ、物理的に接続する必要がなくインターネットに接続していればどこからでもバックアップデータにアクセスできる点は大きなメリットといえます。

まとめ

データの漏洩を防いだり、快適な作業を行うには不要なデータを削除することが大切とご紹介してきましたが、それと同時にデータのバックアップも非常に重要であるといえます。快適なデジタルライフを守るためにも、安全にバックアップできる方法を実践するようにしましょう。