「サイバー空間とは何か?」の説明にくわえ、サイバー空間における脅威の歴史なども紹介しているのでぜひチェックしてください。
サイバー空間は「サイバースペース」とも呼ばれ、コンピュータやネットワークにより構築された仮想的な空間のことを指します。
代表的なのはインターネットです。
近年では、サイバー犯罪が犯行を行う場(サイバー犯罪の舞台)というような意味合いで「サイバースペース」というワードが使われることもあります。
機密情報の窃取やシステム妨害などを狙ういわゆる“サイバー攻撃”は国内外で増加しており、その手口も年々高度化しています。
サイバー空間が現実社会へと浸透してきている近年において、サイバー空間における脅威はより私たちの生活や経済活動にとって深刻な問題になっていると言えるでしょう。
さらに政治・経済・軍事的事情をはらんだ国家レベルのサイバー攻撃もあり、安全保障という観点からもサイバー空間における脅威は深刻化していると言えます。
ここで、実際に起こった世界の重大なサイバー攻撃について、近年の歴史を見てみましょう。
2015年12月「ウクライナの大規模停電」
ウクライナの電力会社がサイバー攻撃に遭い、制御システムが不正操作され、国内西部で数時間の停電が起こり約225,000人に影響が出た。
アメリカ政府からの発表によると、ロシアはハッキングにより窃取したメール等の公開・拡散、偽情報の流布、SNSを利用した工作などによって、2016年アメリカ大統領選に対する影響力工作を展開した。
ランサムウェアの『Wanna Cry』が世界中で拡散され、日本を含む約150ケ国の政府機関・医療機関・企業などに感染被害が生じた。
アメリカの信用情報企業「エクイファクス」が不正アクセスに遭い、アメリカ国民約1億4,500万人の個人情報等が窃取された。
アメリカの情報通信企業「SolarWinds」製のIT管理ツールの更新プログラムを悪用した攻撃に端を発する大規模サイバー攻撃が発覚。
米国サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁が、緊急指令として当該ツールの即時利用停止を連邦省庁へ指示する事態となった。
日本の大手情報通信企業が提供する情報共有ツールへのサイバー攻撃が発生。
後に、当該ツールを利用する100組織以上から個人情報等のデータが窃取されたことが判明した。
国家支援グループによる、日本をターゲットとしたサイバー攻撃の脅威があることも知っておく必要があります。
海に囲まれた日本は地政学的リスクは少ないと言われますが、サイバー空間においては当然ながらその優位性はありません。
むしろ、北朝鮮や中国、ロシアといった近隣国が国家支援によるサイバー攻撃グループを多く持っているため、サイバー空間におけるリスクは高いと言えます。
2022年は上記各国において日本に対する攻撃優先度は低かったものの、今後はそうとも言えません。
国家間のさまざまな問題や、2025年に開催される大阪・関西万博等を考慮すれば、今後サイバー攻撃の矛先が日本に向けられる可能性も決して低くはないでしょう。
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