昨今、ランサムウェアをはじめとする悪質なサイバー攻撃の被害が増加しています。
こうした攻撃に対抗するためのセキュリティ対策として有効なもののひとつに、「サンドボックス」があります。
こちらのページでは、このサンドボックスについて、概要やセキュリティ対策に有効な理由、今後の課題などをまとめました。
サイバー攻撃に対するセキュリティ対策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
サンドボックスとは、コンピュータ内に設けられた“仮想環境”のことです。
この仮想環境とは、ソフトウェアにより、実際のコンピュータと疑似した環境をつくりだしたもの。
実際のコンピュータ環境のなかと同様に、アプリケーションを動作させられるのが特徴です。
この技術は、パソコンのみならず「iOS」でも採用されています。
サンドボックスの仮想環境は、コンピュータのなかで他の環境とは隔離されており、独立稼働しています。
そのため、サンドボックス内でマルウェアから攻撃を受けても、他の環境には影響がもたらされず、被害も生まれません。
この特性を利用し、“マルウェアの可能性がある不審なファイルやメールなどがあればまずサンドボックス内で動かし、異常がないことをチェックしてから利用する”という手順を踏むことで、マルウェアの被害を予防できるのです。
一般的なウイルス対策ソフトは、すでに発見されているマルウェアの解析によって得られた情報が記録された「シグネチャ」というデータベースを用い、マルウェアかどうかを判別します。
そのため、まだ発見されていないマルウェアに対応するのは難しいという特徴があります。
その点、サンドボックスを用いたソリューションでは、先ほど説明した隔離空間内で対象のファイルやプログラムを実際に動かし、分析を行うという仕組みです。
そのため、未知のマルウェアであっても検知や駆除を行うことができます。
ここまで解説したようにサイバー攻撃に対して有効なセキュリティ対策となるサンドボックスですが、マルウェアを検知するうえで、解決すべき課題も残されています。
それは、現段階ではリアルタイムに検知を行えないという点です。
そのため、サンドボックスのみではなく、ウイルス対策ソフトなどと併用するかたちでの利用が求められます。
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